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CONTENTS目次
「AIに提案資料を作らせたら、数字の調査まで全部やってくれるのか?」——この疑問に、実際に33枚のPowerPoint資料をAIに作らせてみた立場から先に結論を言います。デザインはあっという間に整います。でも本当に効くのは、AIに調べさせた“実データ”が資料に何%載っているか、でした。しかも難しいのは、数字を埋めることより「持っていない数字を埋めさせないこと」のほうです。この記事では、私が実際にやったこと・あえてやらなかったこと・未完成のまま残した部分まで、正直に共有します。
この記事でわかること
- AIに提案資料(PowerPoint)をどこまで任せられるかを実際に試した結果
- 競合分析を「実データ」にすると資料の説得力がどう変わるか
- 数字を埋めることより「持っていない数字を埋めさせない」ほうが難しい理由
きっかけ:AI提案資料をどこまで任せられるか試した
クライアントへの提案用に、資料が必要になりました。普段コードを書かない私にとって、資料作成は時間がかかる作業の代表格です。そこで「AI 提案資料」というキーワードで調べながら、思い切って33枚のPowerPoint資料をAIに作らせて、PDFも同時に出力させるところまでやってみました。
このとき私が一番知りたかったのは、見た目をきれいに整える話ではありません。「数字の調査から任せられるのか?」です。提案資料で相手の心が動くのは、だいたい具体的な数字が出てきた瞬間だと感じていました。逆に言えば、中身がダミーのきれいな資料は、相手にもすぐ見抜かれます。
だからテーマは最初からひとつに絞りました。デザインではなく「中身の数字」をAIにどこまで任せられるのか。結論を先に言うと、任せられる部分と、任せてはいけない部分がはっきり分かれました。その境界線こそ、この記事で一番伝えたいところです。
テンプレート丸ごと差し替え方式でPowerPointを自動生成した
まず採用したのは、ゼロからスライドを作るのではなく、テンプレートを丸ごと差し替える方式です。既にある資料の型を土台にして、その企業用の内容に置き換えていくイメージです。具体的に置き換えたのは次の3カ所でした。
- 表紙の社名と日付
- 競合比較のカード
- 現状分析のスライド
この「PowerPoint 自動生成」の裏側では、少し地味な作業をしています。PowerPointファイルは、実は中身がzip(複数ファイルをまとめて圧縮したもの)として展開できます。その中にあるスライドのXML(文字やレイアウトを記述したテキスト形式のデータ)を直接書き換えて、もう一度圧縮し直す、という手順です。
コードを書けない私でも、スライドの複製と検証はすでに用意されているスクリプト(決まった処理をまとめた命令書のようなもの)を使って進められました。そして最後が重要です。出来上がりをPDFに変換し、ページごとの画像にして、1枚ずつ目視で崩れがないか確認しました。自動で作ったからこそ、最後は自分の目でチェックする。この一手間を飛ばすと、文字がはみ出した資料をそのまま出してしまいかねません。
💡 ポイント: ゼロから生成より「テンプレート差し替え」のほうが崩れにくく、確認もしやすいです。最後のPDF目視チェックはAI任せにしない部分だと感じました。
一番効いたのは競合分析を“実データ”にしたこと
やってみて効果を一番強く感じたのが、競合分析のスライドをダミーではなく実データにしたことです。ここが今回の肝でした。
具体的には、地図サービスで同じ商圏の同業3社を検索し、実際のクチコミ件数と評価をそのままスライドに載せました。架空の「A社・B社・C社」ではなく、実在する同業の生の数字です。さらに、クライアント自身のクチコミ件数と評価を、その3社と並べたスライドを新しく追加しました。
自分の数字が競合と並んだ瞬間、資料の意味がガラッと変わります。「一般論としてクチコミは大事です」ではなく、「この商圏で、あなたはいまこの位置にいます」という話になるからです。「競合分析 実データ」で資料を作る価値は、まさにここにあると実感しました。
さらに、クライアントの既存サイトを実際に読みに行って、現状分析のスライドもAIに作らせました。表に出ている情報を拾って整理するところは、AIが得意な領域です。
- 競合3社の実際のクチコミ件数と評価を検索して掲載
- クライアント自身の数字を同じ並びで比較スライドに追加
- 既存サイトを読んで現状分析スライドを作成
こうして振り返ると、AIが助けてくれたのは「調べて・並べて・形にする」作業で、どこの数字を・どう見せるかの判断は自分がやったという整理になります。
あえてやらなかったこと:持っていない数字は載せない
正直に書くと、全部がうまくいったわけではありません。むしろ、この記事で一番伝えたいのはここです。数字を持っていない項目は、載せませんでした。
具体的には、検索ボリューム(そのキーワードがどれくらい検索されているかの量)と検索順位の2枚は、実データのスクリーンショットに差し替えるまで、未完成のまま残しました。AIに頼めば、それっぽい数字を“埋めて”くれます。でも、検証していない数字を本物のように載せるのは、提案資料として一番やってはいけないことだと考えました。
別の提案資料でも、クリック率などの一般論の数字は一切載せませんでした。手元に検証済みのデータがなかったからです。一般的に言われている平均値を載せれば見栄えは良くなりますが、それは「自分が確かめた数字」ではありません。
⚠️ 注意: AIは空欄を嫌い、頼めばもっともらしい数字を埋めてしまいます。未完成のスライドを「未完成のまま残す」判断こそ、人間側がやるべき仕事だと感じました。
やってみて分かったのは、数字を埋めさせることより、持っていない数字を埋めさせないことのほうが難しいという逆説でした。AIに「ここは分からないから空欄で」と徹底させるのは、意外と手間がかかります。この感覚は、AIで何かを作ろうとする人全般に通じる話だと思います(私の他の試行錯誤は /about でも触れています)。
分かった結論:資料作成AIの品質は実データ率で決まる
33枚を作って、別の提案資料も含めて試した末にたどり着いた結論はシンプルです。「資料作成 AI」で作ったものの品質は、デザインの良し悪しではなく、調べさせた実データが何%載っているかで決まる、ということです。
きれいなテンプレートは、AIなら数分で整います。だからこそ、デザインはもう差になりにくい。差がつくのは、競合の実際のクチコミ件数のような「自分の足で(あるいは検索で)確かめた数字」がどれだけ詰まっているかです。
整理すると、AIに任せられる部分と、人間が持つべき部分はこう分かれました。
| 作業 | 任せ具合 |
|---|---|
| テンプレートのレイアウト・デザイン | AIに任せやすい |
| 公開情報の収集・整理(サイト、クチコミ件数など) | AIに任せやすい |
| どの数字を載せるか/載せないかの判断 | 自分がやるべき |
| 検証していない数字を空欄のまま残す判断 | 自分がやるべき |
| 出力後のPDF目視チェック | 自分がやるべき |
AIは優秀な調査・作図のアシスタントですが、「何を載せないか」という品質管理は、まだ自分の役目だと感じています。
まとめ
AIに33枚のPowerPoint提案資料を作らせ、競合分析を実在する同業3社のクチコミ件数と評価という実データにしたところ、資料の説得力は大きく変わりました。テンプレート差し替え方式とPDF目視チェックで形は整いますが、本当に効くのはデザインではなく、調べさせた実データが何%載っているかです。一方で、検索ボリュームや検索順位のように検証できていない数字は、あえて空欄・未完成のまま残しました。やってみて分かったのは、数字を埋めさせることより『持っていない数字を埋めさせないこと』のほうが難しい、ということ。AIは調査と作図の優秀なアシスタントですが、何を載せないかの品質管理は、まだ自分の仕事だと感じています。
FAQ
よくある質問
QAIに提案資料の数字調べまで全部任せられますか?
公開されている情報(サイトの内容や地図サービスのクチコミ件数・評価など)を検索して整理する部分は、かなり任せられると感じました。ただし、どの数字を載せるか、検証していない数字を載せないか、という判断は自分で行う必要があります。頼めばAIはそれっぽい数字を埋めてしまうため、そこは人間の管理が要ります。
Q競合分析を実データにするとそんなに違いますか?
私の実感では大きく違いました。架空の競合ではなく、同じ商圏の同業3社の実際のクチコミ件数と評価を載せ、クライアント自身の数字と並べたことで、資料が『一般論』から『あなたの現在地』の話に変わりました。説得力の面で一番効いた部分です。
Qプログラミング未経験でもPowerPointの自動生成はできますか?
私自身コードを書かない会社員ですが、スライドの複製や検証は用意されているスクリプトを使い、最後はPDFに変換して1枚ずつ目視で確認する形で進められました。ただし完全自動で放置できるわけではなく、崩れのチェックや数字の取捨選択など、人の手が必要な工程は残りました。